ペンタックス645 300mmレンズの選択のコーナーで書いてある、ペンタックス645で大判レンズを使う方法に付いて今回はとりあげてみます。
基本的に大判レンズは645のイメージサークルをカバーしている物が多いので物理的に取り付けが出来、ピントを合わせる事が出来れば撮影は可能だと思います。
ペンタックス645のフランジバックが約71mmですので、フランジバックが71mm以上のレンズならOKなのですが大判レンズの多くには後玉があるので実際には100mm以上のレンズでないと無理だと思います。
それに重ね、645のマウント口径に大判レンズの後玉が入らない事が多いのでペンタックス67のマウントを介し取り付ける方がレンズ選択の自由度が多くなると思います。
しかし、マウントアダプター67−645マウントアダプターを使うことによりベースBody側のフランジバックが増加します。
ペンタックス645のフランジバック |
約71mm |
ペンタックス645+67-645アダプター |
約85mm |
67接写リング1 |
14mm |
67接写リング2 |
28mm |
67接写リング3 |
56mm |
ヘリコイド接写リング67 |
32−52mm |
手持ちの大判レンズ(表の数値は約‐‐mmです)
レンズ |
フランジバック |
バックフォーカス |
使用可否 |
フジノンSW90mm |
99 |
60 |
NG
フランジはOK バックフォーカス不足と後玉の大きさがNG |
フジノンW125mm |
119 |
101 |
バックフォーカスが微妙ですが、ぎりぎりOK
Body85+ヘリコイド32(52)=117(147) |
フジノンW150mm |
144 |
122 |
OK |
コンゴーA210mm |
195 |
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OK |
ニコンM300mm |
290 |
278 |
OK |
フジノンT400mm |
252 |
220 |
OK |
フランジバック…レンズシャッター取り付け面からフィルム面までの距離
(無限遠時の距離です。繰り出すことにより近距離にピントが合っていく)
バックフォーカス…無限遠時のレンズ最後面からフィルム面までの距離
態々、大判レンズを使わなくてもとお思いの方も居られると思いますが以下の理由です。
折角ある手持ちのレンズを使いたいのと使用頻度の少ない400mmや600mmを購入することは現状では無理
BODYのシャッターでも勿論露光はOKですが、レンズシャッターでも露光は可能
(ショックの少ないレンズシャッターが使える)
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自作0番 |
自作1番 |
メディア・ジョイ製1番 |
67接写リング1 |
67接写リング2 |
67接写リング3 |
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67接写リング2 |
67接写リング3 |
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ヘリコイド接写リング67 |
P67→P645アダプター |
マウントアダプター67−645 (中古購入)
67接写リング(中古購入)
(3個組で販売されています。中古で1セット購入し、
No2.No3をオークションで購入
結果No1X1 No2X2 No3X2個所有)
ヘリコイド接写リング67
(全長32−52mm ヘリコイド移動量30mm)
MJ大判レンズアダプター(1番シャッター用)…新品購入
自作大判レンズアダプター(0シャッター番と1シャッター番用) |
左から
P645 67→P645アダプター、67接写リング3、ヘリコイド接写リング67、
67接写リング2、メディア・ジョイ製1番、コンゴー210mm
撮影手順
使うレンズに合わせ、大判レンズアダプターに大判レンズを組み付ける。
使用レンズに必要なフランジバック分の鏡筒を接写リング、ヘリコイド接写リング、マウントアダプター67−645で組む。
使用レンズのにフランジバック合わせ接写リングの数を調整します。
(レンズ焦点距離に比例し伸ばしていきます)
例えば、コンゴー210mmの場合は
ペンタックス645+67-645アダプター(85mm)
接写リング1+3(84mm)
ヘリコイド接写リング67(32−52)で合計187mm−207mmのフランジバックを得られます。
組んだレンズをカメラにセットする。
大判レンズの絞りを開放にしシャッター部分にあるプレフォーカスレバーでシャッターを開く。
鏡筒のヘリコイド部分を操作しピントを合わせる。近接の場合は接写リングを増やすことで最短撮影距離が短く出来る。
例コンゴー210mmのフランジバックは195mmなので無限遠での撮影が可能です。
もっと近接したい時は接写リングの数を増やせばある程度まではOK
測光に関しては
1外部メーター(スポットメーター等)で決める
2実絞りでカメラ本体内蔵の露出計(TTL)が可能
実絞り…大判レンズの絞りレバーで絞り込む
次に露光ですが |
カメラのシャッターを利用する場合 |
大判レンズのレンズシャッターを利用する場合 |
大判レンズの絞りレバーで希望の絞りにセットする。
AE連動範囲ならば実絞りで絞り優先AEが可能
カメラのシャッターで露光をかける。
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大判レンズの絞りレバーで希望の絞りにセットする。
プレフォーカスレバーでシャッターを閉じる
希望のシャッター速度にレンズシャッターをセットする。
レンズシャッターをチャージする。
カメラBody側のシャッターをバルブにする。
カメラBody側のシャッターをバルブで開く。
レンズシャッターで露光をかける。
露光完了後、バルブで開いているカメラのシャッターを閉じる。
Body側のシャッターをバルブで開くのが大判の引き蓋を抜く事に相当し、閉じるのが引き蓋を挿す事に相当 |
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P645→PKアダプターを用いるとKマウントカメラでもOK
P645→EOS(EFマウント)自作アダプターを用いるとキヤノンEOS系Bodyでも撮影可能。
大判レンズを使うためにアダプターや接写リング等が必要ですが、新品でそろえると結構な金額になります。
しかし、気長に中古を探すと安く済ませる事が可能です。
気長に探した結果、自分は新品実販価格の1/3以下で揃える事が出来ました。 |