ペンタックス645 300mmレンズの選択

2004.02.03

ペンタックス645における300mmレンズの選択
645判の300mmは、35mm判(ライカ判)カメラで180mmレンズ相当になります。

ペンタックス製レンズ
レンズ名 定価 レンズ構成 絞り羽枚数 F値 最短撮影距離 AF フード 撮影データー記録 フィルター径
FA645☆ 300mmF4ED[IF] 46万円 8群8枚 8枚 4−32 3メートル 外付けバヨネット 77mm
A645☆ A300mmF4ED[IF] 36万5千円 8群8枚 8枚 4−32 3メートル 内蔵引き出し式 77mm
FA645 300mmF5.6ED[IF] 22万円 7群7枚 不明 5.6−45 2.2メートル 外付けバヨネット 67mm
FA645 150−300mm[IF] 25万円 13群15枚 不明 5.6−45 2メートル 外付けバヨネット 67mm
67 300mmF4 13万5千円 5群5枚 不明 4−45 5メートル 内蔵引き出し式 82mm
M☆67 300mmF4ED[IF] 30万円 9群9枚 不明 4−32 2メートル 外付けバヨネット 82mm
67用レンズは、67用レンズアダプター645(定価17,000)を用いて取り付けます。
開放測光、自動絞り機構が連動し645では絞り優先AE及びマニュアルモードで使用します。

その他

大判用の300mmレンズ(沢山のメーカーからいろんなレンズが発売されてる。)
                +
ペンタックス67に付けるアダプターが発売されています。(65,000円位)
                +
ペンタックス純正の67用レンズアダプター645を用い645に装着する方法。

ピント調整は、ヘリコイド接写リング+接写リングセットを用い行います。
シャッター及び絞り機構はレンズの物を用います。
645本体のシャッターをバルブで作動させ、その後レンズシャッターを使い露光します。
手間は掛かりますが、作動ショックの少ないレンズシャッターが使えるメリットがあります。
マウントアダプターを用い八セル等の他社中判カメラ用のレンズを使う。
自分の知りうる範囲では、上記のレンズの何れかで300mm域での撮影する方法です。
他にも方法が在るかも知れません。


自分にとっては300mm域のレンズは欲しい(撮影に必要)と、何年も前から購入を検討していましたが、何分にも高価なものなので簡単に購入出来るレンズではありませんでした。
(自分が300mmの購入を考え出したのは今から三年以上前でした。当時は645用のレンズは現行品ですとFA645☆ 300mmF4ED 46万円のみでした)

普及価格帯(メーカーでは)のFA645 300mmF5.6EDが発表された時は、新宿のペンタックスフォーラムに足を運び操作したり眺めたりしましたが、どうせ買うなら200mmF4を所有しているので(200mmF4+1.4X)で280mmF5.6として使えるのであまりメリットを感じずに購入に踏み切れませんでした。
(200mmF4+1.4X)で撮影するより、300mmF5.6EDで撮影した方が写りが良いと思いますが。。。)
軽量コンパクトで最短撮影距離が比較的短いのが魅力



その後、数年経ちFA645 150−300mmF5.6ED〔IF〕と言う魅力的なズームレンズが発売されました。
限られた撮影ポジションの時には、ズームにより作画出来るメリットは大きいと考えますし、既に所有している45−85mm&80−160mmに150−300mmを加えると45mm−300mm迄ほぼ切れ目無く繋がり作画の自由度が広がります。
しかし、開放F値4と5.6たかが一絞りですが一絞りの価値と言うかメリットは大きいと思い購入を見送りました。
ズーミングによる緻密なフレーミングが可能な事(機動性がある)と比較的最短撮影距離が短いのが魅力

高価ですが、645・67用の300mmF4クラスを購入を検討する事にしました。
1.4X又は2Xテレコンを併用すれば420mmF5.6、600mmF8として使う事の出来る300mmF4クラスが自分には合っているという思いになりました。
その他の方法1、2も考えましたが1はシステム的に大きな機材(大判レンズはコンパクトですが、アダプター、へリコイド接写リング、三脚に取り付け使うためのアダプター)になってしまい持ち運びを考え断念しました。レンズシャッターが使えカメラブレが起きにくいメリットがあり最終段階まで候補に残りました。
2は、絞り機構に不安があり止めました。
(撮影時に、ボディの絞込みレバーを操作〈押し込んで保持〉しなければなりませんのでカメラブレが心配〉

結局、645用新旧300mmF4か67用現行品2本の4本から選択する事となりました。
645用と67用の選択となりましたが下記の事を考え645用に決定
645用のテレコンを既に所有している。(67用を選択した場合は新たに購入しなくてはならない)
新たに67用レンズアダプター645を購入しなければならない。
82mm径という大きいフィルターサイズ(現レンズシステムが58、67、77mm径で揃えており、82mm径は遠慮したい)


で、645用のどちらを選択するか考える。
レンズ構成 F値 最短撮影距離 AF フード 撮影データー レンズ三脚座 その他
FA645☆ 300mmF4ED 8群8枚 4−32 3メートル 外付け 有り 現行品
A645☆ 300mmF4ED 同上 同上 同上 不可 内蔵 無し 販売終了品
どちらも、レンズ構成が全く同じなの
(フードが大きくさが違うので、逆光時等ではFAタイプが有利かもしれませんが)
どちらを選んでも写りはさほど変わりないと思います。
新品実販価格、中古の相場
新品 中古
FA645☆ 300mmF4ED 29〜40万位 18〜23万位
A645☆ 300mmF4ED 販売終了品 9〜14万位
新品購入も検討しましたが、ちょっと財布に優しくないので中古を探す事にしました。
新旧両方の中古を何件か見に行きましたが、旧製品は比較的出物も多いのですがピントリングが軽い物が多い、旧製品だけに使用感があり程度の良い物が少ない。
現行品は、出物があまりにも少ない。
ネットオークションも何度か覗いては見ましたが、出品されても中古店での購入価格とさほど差が無く店頭購入の方がお店の半年ですが保障が付くので気長に雑誌や中古カメラ店のHPをチエックすることにしました。

チエックすること数ヶ月、どうにか買えそうな品がNのFカメラにある事がわかりました。
状態の良さそうな品が二本(AランクとABランク)あり、電話で問い合わせると未だ両方とも売れていないとの事、取り敢えず物を見ないと購入できないので取り置きしてもらう事にしました。
両方の取り置きは無理なので、どちらかにして下さいとの事なので販売価格が福沢諭吉君一人の違いなので高い方の撮り置きを頼みました。
その日は丁度良く休みでしたので、中野までレンズを見に行きました。
幸運にも取り置きしておいて頂いたものと、そうで無い物の両方を見ることが出来ました。
福沢諭吉君一人の違いなのですが、両レンズとも光学系にはさほどの差はありませんでしたが外観には福沢諭吉君一人の違いならAランクの方が良いと思うくらいの差があり取り置きしておいて頂いたものを購入する事にしました。
光学系、外観とも綺麗な品ですが大型で持ち歩きにはケースが必要と考えていたので付属のレンズケースが無いのが残念でした。
今使っているカメラバックには入らないので、新たに大きなバックを購入しなくては撮影に持ち出せないのでどうしようかと思ってしまいました。
保護用フィルターも購入しなくていけないし、大きなバックを買うほど余裕は無いので。。。。(;_;)
仕方ないから、何か他のケースで代用するしかないかなぁと思い店をうろついていたら店頭でジャンク扱いの様なレンズケースが沢山販売されていました。
その中の、二つのうちのどちらかなら入りそうなので店員さんに声を掛けて入るかどうか験させてもらう事にしました。
レンズを購入した店員さんでしたので、店の展示品を態々出して頂き験して下さりました。
まるで専用ケースの如くピッタリな物があり購入する事にしました。(税込み315円!!)。。。。。大満足でした。

購入後、その帰りに新宿のペンタックスフォーラムにて作動点検をしてもらいました。
点検の結果『絞り作動、ピント等異常が無いのでこのままお使い下さい』との事。

少しですが試し撮りをしてみました。
自分が所有する他の単レンズに比べ逆光に強いのと、色のり具合が他のレンズより良いと感じました。
何よりも、ファインダーを覗いた時のクリアーさが好感触です。
最短撮影距離が3メートルと比較的長めですが、風景を撮影するぶんには不満を感じませんでしたが、近景をマクロ的に撮影するには不満も出てくると思います。
手ごろな方法として、クローズアップレンズNo1を付ける手もありますがちょっと短くなりすぎる感があります。
接写リングが良いかなぁと考えています。(しかし、セットで四万円強は辛い)

以下は個人的な見方程度に読んで下さい。

三脚座
購入したレンズには三脚座が装備されています。
レンズの説明書によりますと『三脚座付きのレンズで、三脚一台で撮影する時はレンズ側の三脚座ではなくカメラボディ側の三脚取り付け穴を用いて撮影した方がぶれにくい』と書かれています。
てこの原理を元に考えると、
支点=三脚座
力点(振動の元)=カメラのミラー及びシャッター
作用点=レンズ先端?
と考えると、ボディ側の三脚取り付け穴を用いた方がブレにくのかなぁと思います。

図A

  1                2


重量 撮影時(シャッター可動時)
ボディ側の三脚取り付け穴を用いた場合 レンズ先端付近にレンズの自重が掛かる
ボディ重量は雲台
下記の状態に比べると、レンズ先端に掛かる重さがバランスウエイト的な役目をしブレが軽減できそう
レンズ三脚座の取り付け穴を用いた場合 レンズ三脚座付近にレンズ及びボディ重量が掛かる 支点が機材(レンズ・ボディ)中心にやじろべいのようなバランス状態なので、どちらか一方に力が掛かるとブレやすくなりそう。

apm案

カメラボディ及びレンズ三脚座の下にブレ防止用のプレートを導入する。
レンズとカメラボディの二点を支持する構造のプレートにする。
レンズ先端は、支え程度にサポートするとブレ防止効果が大きそうです。

200mm+1.4Xテレコン状態で、上記のようなブレ防止用のプレートを用いた場合と、図A−1の状態でテスト撮影しましたが
ブレ防止用のプレートを導入した場合の方がぶれにくかったです。

バネばかりか何かで、レンズ先端、ボディ等に掛かる力を計測しデーターを取った訳ではないので参考程度に受け止めてください。

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