シナリオ4
目立つ冒険者様
ソフールさん達が謎の宝石商人やカラスに会う数日前のことでした
ミルー姐さんとポロンさんは街の見物がてら買い物などをしてますと
財布に心もとなくなった彼らはポロンさんが新しく買ったオカリナを披露するだけでは飽き足らず
なんと大道芸をして見物料を稼ごうとしておりました
ってみなさん、ここはロドーリル国内でございますよ?
ルーンマスターがそんな目立つことしていたらなにされるやら
と案の定街の人の冷ややかな目線やどこからともなく小石などが飛んで来る中
どこかで見知った人も飛んで来ました
その方はサオジさん、ついこの間パラの村で
ゴブリンを追い払って欲しいとの依頼を持って来た人です
どうやらまた困ったことになったようです
心優しいミルー姐さんがその場で話を聞いてみると
村のそばでまたもやゴブリンが、今度は何故か白旗を振っているんだとか
村の人はゴブリン語がわかりませんし、敵意を感じないとは言えやはり不気味なので
なんとかして欲しいんだそうです

そこは心優しいミルー姐さん、依頼料の話もせずにポロンさんも道連れにさっそくパラの村へ
ゴブリンの集落へ
村に近づくと話の通り村のそばで白旗を振るゴブリンがいました
ミルーを発見するとすぐに寄ってきて
「あんたは我々の恩人ゴブ、人間が死にそうゴブ、助けて欲しいゴブ」
なんて言ってます、とてもゴブリンとは思えないような言葉ですが
緊急事態であることを察したミルー姐さんは
さっそくそのゴブリンについて行くことを決めてくれます
とにかく怪物がどこかへ行ってくれると言うことを喜んだ村人は食料を分けて見送ってくれました
もちろん回復係のポロンさんも忘れずに持って行きます

ここでさっそくの大ピンチ、もう10日以上も進んで行きますが
ゴブリンの集落がどのへんにあるのか聞いてなかったので
持参した食料が俄然心もとなくなってしまいました
案内係のゴブリンはそのへんのものを適当に食べてますがエルフや人間はそうはいきません
しかもこの二人とも狩人の能力もありません
必死で森を探しますとなんとかエルフの嗅覚で果物のなる木を発見して集落までたどり着きます
ゴブリンと暮らす老人
集落にたどり着くとすぐそばに人間の住めそうな小屋があり
その中で老人が寝こんでいました、なんと共同生活をしていた様です
きっとこの老人に人間の恐さなどを教わっていたので
パラの村を襲うような行動に出なかったのでしょう
この老人にどれほどの恩があるのか救世主の登場にゴブリンらしからぬ期待のまなざしで
ミルー姐さんとポロンさんが出迎えられますが、老人が言うには
「先日発生した煙にやられたせいじゃ、儂はもう助からん、わざわざ来てくれたのに申し訳ない」
言葉通りらしくポロンさんの回復魔法ではどうにもなりません
しかしなんとかしてあげたいミルー姐さんは、こんなときエルフの村では
とある薬草を煎じて飲むと元気になることを覚えていましたのでその捜索にあたります
それは赤い花が咲き、とある木の下に生えるものです
それをゴブリン達にも説明してみんなで探すことにしましたがこれが大きな誤算
なにしろゴブリンの皆さんがその辺の草を片っ端から引っこ抜いて来て
「これゴブか?これゴブか?」の連発
ポロンさんも負けじとそのへんのキノコをためしにゴブリンに食べさせてみたり
そのゴブリンは何だか大笑いしながら走ってどっかいっちゃいましたよ?
それで一日が潰れてしまいます

そして次の日、ちょっとした崖の上に見覚えのある木が生えているのを発見しました
ポロンさんが決死の覚悟で何度か転げ落ちながらも崖に上りますと
そこには件の赤い花が咲いていました
さっそくそれを煎じて老人に飲ませますとどうやらそれなりに持ち直したようですが
「おお、その薬草がここにもあったのか、おかげで少し元気になった
 しかしやはり儂はもう長くない、街まで歩く体力もないであろう
 一つだけお願いがあるのじゃが、儂には一人息子がおって
 戦いに行くと行って出て行ったきりで、儂もこんな山奥で隠居してしまい
 全然会っておらん、もう生きておるのか死んでおるのか結婚したのかも
 わからんがもし会ったらこの短剣を儂の形見として渡してやってくれんか」
心優しいミルー姐さんは涙ながらに必ず息子さんを探すことを約束しました
ゴブリン達はとにかく老人が元気になったことを喜び、お礼として
どこで拾ってきたのかかなり大きな魔晶石を3個も渡してくれました
そしてこんな立派なモノ貰ってもロドーリルで換金は無理なことに気づいて
がっくりしたり普通に悲しい気分になったりしながら帰途につく二人なのでした

戻る