ラーダ神官、カイの記録 |
それはいつもと変わらぬロドーリルの午後だった。
こんな街で冒険者をしていても、大した仕事が舞い込むわけでもないのだが、
かといってこの街から出る事もできずに、暇を持て余していると一人の男が我々に声をかけてきた。 どうやら、物売りのようだったが言ってる事がどうにもうさんくさい。 「こちらの宝石、本当は10万ガメルもする代物なのですが、特別に3万ガメルで如何でしょう?」 だったら、普通に取引をして10万で売りさばけばいいのではないだろうか? そんな怪しさ満載の物を買うわけもなく(買えるだけの金もなかったわけだが) 丁重に帰っていだたくことにした。 だが、他の連中とも「こんなあからさまに怪しい物、買う奴がいるわきゃねーよなぁ」 などと話している最中に、次の男は現れた。 |
「助けてください!安物を宝石を掴まされまして!」 全員でツッコミそうになった瞬間だった。 しかしまぁ、せっかくのお仕事なので引き受けることに。 報酬はまぁ、金を騙し取られた依頼人という事なので、 あまりふっかけず相場程度で了承。 一応、その安物の宝石も証拠品という名目で預かる事に。 できればもらえないかという期待を抱きつつ。 その後、各自それぞれの手段で情報収集、捜索を始める。 とりあえず、俺はギルドの方に問い合わせてみて、 ギルド絡みで行われている事ではないと確認して、一安心。 ひっ捕まえて突き出してやる事を決意。 うまくいけば報奨金ももらえるのではないかと期待。 結局は決定的な証拠も得られないまま、 「怪しい」という情報だけでとある屋敷に突入を試みる。 |
裏口から忍び込んでみると、謎の怪しい煙がモクモクと! しかし、特に影響があったわけでもないので慌てて逃げ帰る。 もう中の人間にはこちらの存在は知れてしまったであろう。 これは一度態勢を立て直すほうがいいかもしれない。 その事を提案しに仲間のところに戻ると、またしてもミルーがやってくれた。 一人正面から乗り込んでいったのである。 止める間もなく行ってしまったので、「こりゃ,断末魔が聞こえたら突入だな」など諦める。 と、直後に本当に悲鳴が! その場に駆けつけると正面玄関から魔法を飛ばされて直撃したようだ。 なんとか、回復魔法も間に合いそのままなし崩しで戦闘に。 これでもし、無関係だったらどうしようか、と不安になりつつも奥まで押し入り、 証拠となる安物の宝石を発見する。 連中一味をひっ捕らえて突き出し、報酬とは別に少しばかりの賞金を得る。 結局、安物の宝石はもらえなかったのだが、まぁ、それはそれで仕方ないと諦める。 |